本稿では、再生医療等提供計画の添付文書である、「特定細胞加工物概要書」、「特定細胞加工物標準書」について説明させていただきます。
これら二つの書類は、再生医療等に特定細胞加工物を用いる場合のみ添付が必要となりますが、現状はほとんどの場合で特定細胞加工物が用いられているかと思いますので、ほとんどの場合必要であると考えていただいて問題ありません。
特定細胞加工物概要書、特定細胞加工物標準書ともに、その他の特定細胞加工物製造に関する書類と合わせて再生医療学会のHPから雛形をダウンロードすることが可能です。
なお、必ずしもこの雛形を使用する必要はなく、必要事項さえ記載されていれば別の様式を使用しても問題ありません。当然、再生医療学会の雛形には記載が必要な事項は網羅されていますが、必須ではない事項も含まれていますし、書式自体があまり使いやすくありませんので、当事務所では別の雛形を独自に作成して使用しています。
特定細胞加工物概要書、特定細胞加工物標準書について注意が必要なのは、これら二つの書類は作成が義務付けられている者が異なるということです。
特定細胞加工物概要書は、再生医療等提供機関の管理者が、特定細胞加工物製造事業者に対して製造方法や品質管理の方法を指示するために作成される書類です。
一方で、特定細胞加工物標準書は、提供機関から特定細胞加工物概要書を受け取った特定細胞加工物製造事業者が、特定細胞加工物概要書を元に製造方法や品質管理方法について規定するために作成する書類になります。
医療機関内で特定細胞加工物の製造を行う場合はそれほど意識する必要はないかもしれませんが、外部に製造を委託する場合は注意してください。