「再生医療等安全性確保法」に基づき、国内で実施される再生医療等に用いる特定細胞加工物を製造しようとする者は、施設ごとに地方厚生局長の許可を受ける必要があります。
ただし、①医療機関内に設置される場合、②医薬品医療機器等法に基づく再生医療等製品製造許可を受けた製造所、③臍帯血供給事業の許可を受けた者が臍帯血供給事業に用いる場合、のいずれかに該当する場合は、許可を受ける必要はなく、地方厚生局長への届出のみで足ります。
なお、外国の細胞培養施設において国内で実施される再生医療等に用いる特定細胞加工物を製造しようとする場合は厚生労働大臣による認定が必要となります。
特定細胞加工物製造許可の許可要件は以下の二点です。
- 細胞培養加工施設が厚生労働省令で定める構造設備の基準に適合していること。
- 申請者が欠格要件に該当しないこと。
本稿では、特定細胞加工物製造許可申請について解説させていただきます。
特定細胞加工物製造許可申請には以下の書類が必要となります。
- 特定細胞加工物製造許可申請書(様式第14号)
- 細胞培養加工施設の構造設備に関する書類
- 申請者が法人である場合は、登記事項証明書
- 製造をしようとする特定細胞加工物の一覧表
- PMDAによる調査の申請書
各書類の記載要領、注意点は以下のとおりです。
①特定細胞加工物製造許可申請書(様式第14号)
申請書の記載事項は以下のとおりです。
- 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
- 細胞培養加工施設の管理者の氏名及び略歴
- 製造をしようとする特定細胞加工物の種類
- 細胞培養加工施設の名称及び所在地
- 申請者(申請者が法人である場合は、その業務を行う役員を含む。)の欠格事由に関する事項
- 申請者の連絡先
細胞培養加工施設の管理者の略歴については、職歴、実務経験、取得資格、著書、研究実績等を示すことにより、特定細胞加工物に係る生物学的知識を有することを証明する必要があります。
②細胞培養加工施設の構造設備に関する書類
構造設備に関する書類には以下の図面等が含まれます。
- 施設付近略図
- 航空写真など周囲の状況がわかるものが必要となります。
- 施設敷地内の建物の配置図
- 細胞培養加工施設と同一敷地内にある建物は全て記載する必要があります。
- 施設平面図
- 製造工程に必要な室名及び面積が識別できるものである必要があります。
- その他参考となる図面
- 主要な製造用機器器具と試験用機器器具の配置を含む図面、製造工程フロー図を含めることが望ましいとされています。
④製造をしようとする特定細胞加工物の一覧表
所定の様式はありませんので、任意の様式で作成することになります。
作成日時と施設名を含めることが望ましいとされています。
⑤PMDAによる調査の申請書
更新申請の場合は前回調査の結果を添付する必要があります。
また、PMDAより追加資料の提出を求められる場合があります。
なお、申請の際は登録免許税として90,000円、PMDAによる現地調査手数料として14,400円が必要となります。
登録免許税は日本銀行、調査手数料はPMDA宛に振込み、領収証書または振込金受取書の写しを申請書に貼り付けて提出することになります。