特定細胞加工物製造について③

再生医療等安全性確保法」に基づき、国内で実施される再生医療等に用いる特定細胞加工物を製造しようとする者は、施設ごとに地方厚生局長の許可を受ける必要があります。
ただし、①医療機関内に設置される場合、②医薬品医療機器等法に基づく再生医療等製品製造許可を受けた製造所、③臍帯血供給事業の許可を受けた者が臍帯血供給事業に用いる場合、のいずれかに該当する場合は、許可を受ける必要はなく、地方厚生局長への届出のみで足ります。
なお、外国の細胞培養施設において国内で実施される再生医療等に用いる特定細胞加工物を製造しようとする場合は厚生労働大臣による認定が必要となります。

特定細胞加工物製造許可の許可要件は以下の二点です。

①細胞培養加工施設が厚生労働省令で定める構造設備の基準に適合していること。
②申請者が欠格要件に該当しないこと。

本稿では、特定細胞加工物製造許可を取得、または届出を行った特定細胞加工物製造事業者が遵守しなければならない事項について解説させていただきます。

再生医療等安全性確保法において、特定細胞加工物製造事業者の遵守事項について以下のように規定されています。

第四十四条 厚生労働大臣は、厚生労働省令で、細胞培養加工施設における特定細胞加工物の製造及び品質管理の方法、試験検査の実施方法、保管の方法並びに輸送の方法その他特定細胞加工物製造事業者がその業務に関し遵守すべき事項を定めることができる。

そして、この規定に基づき、再生医療等安全性確保法施行規則(厚生労働省令)により特定細胞加工物製造事業者の遵守事項が定められています。遵守事項の詳細はこちらからご覧ください。

施行規則では以下の事項について遵守事項が定められています。

  • 品質リスクマネジメント(第92条)
  • 製造部門及び品質部門(第93条)
  • 施設管理者(第94条)
  • 職員(第95条)
  • 特定細胞加工物標準書(第96条)
  • 手順書等(第97条)
  • 特定細胞加工物の内容に応じた構造設備(第98条)
  • 製造管理(第99条)
  • 品質管理(第100条)
  • 特定細胞加工物の取扱い(第101条)
  • 検証、確認(第102条)
  • 特定細胞加工物の品質の照査(第103条)
  • 変更の管理(第104条)
  • 逸脱の管理(第105条)
  • 品質等に関する情報及び品質不良等の処理(第106条)
  • 重大事項報告等(第107条)
  • 自己点検(第108条)
  • 教育訓練(第109条)
  • 文書及び記録の管理(第110条)

遵守事項は、製造管理及び品質管理の基準が中心となっており、そのための組織の確立、手順書の作成等が必要とされています。

この遵守事項は特定細胞加工物製造許可の許可要件とはなっていないので、適合していなくとも許可を取得することは可能です。
しかしながら、許可取得後は遵守事項に従って特定細胞加工物の製造管理、品質管理等を行わなければ改善命令や許可取り消しを受ける可能性があります。

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