末梢血単核球を用いた重症下肢虚血の治療

今回は「末梢血単核球を用いた重症下肢虚血の治療」について紹介させていただきます。

この治療法は、患者本人の末梢血から採取した「末梢血単核球細胞(血管内皮前駆細胞)」を下肢の筋肉内に注射により投与することにより、重症下肢虚血の症状改善を図る治療法です。

末梢血単核球は幹細胞には該当しませんが、末梢血から採取した単核球を筋肉内に投与することは相同利用には該当しないため、再生医療等技術としての区分は第二種となります。

(1)末梢血単核球とは?

末梢血単核球とは、血液中に存在している様々な種類の細胞のうち、単球やリンパ球などの単核細胞の総称ですが、その一部に血管内皮前駆細胞と呼ばれる、主に血管内皮へと分化する機能を持つ細胞が含まれています。

この血管内皮前駆細胞は、自らが血管内皮細胞へと分化することにより血管の一部となったり、血管形成を促進する因子を分泌することにより血管形成、血管新生に働くことが知られています。

血管内皮前駆細胞は、主に骨髄中に存在しており、末梢血中にはわずかしか存在していませんが、自動血液成分分離装置と呼ばれる装置を用いて血液中から血管内皮前駆細胞を分離採取することが可能であり、本治療ではこの方法により血管内皮前駆細胞を採取し、治療に用いています。

(2)重症下肢虚血とは?

重症下肢虚血とは、末梢動脈疾患が重症した疾患です。動脈硬化などが原因となって血管が詰まり、末梢まで血液が行き届かなくなることにより発症します。

足先に血液が行き届かなくなることにより酸素が供給されなくなり、足が痺れたり冷たく感じるようになります。さらに、重症化すると足に潰瘍や壊死が発生し、悪臭も発生するようになっていきます。

足の痺れや冷感、悪臭により日常生活にも重大な影響を及ぼし、悪化してしまうと足を切断するしかなくなってしまう場合もあります。

重症下肢虚血の一種であるバージャー病(閉塞性血栓性血管炎)は国が指定する特定疾患治療研究対象疾患(難病)に定められており、詳細なメカニズムは判明していないものの、喫煙が発症に大きく関係していることがわかっています。

(3)末梢血単核球を用いた重症下肢虚血の治療

この治療法は、前述のとおり患者本人の末梢血から採取した「末梢血単核球細胞(血管内皮前駆細胞)」を下肢の筋肉内に注射により投与することにより、重症下肢虚血の症状改善を図る治療法です。

血管形成、血管新生を促進する働きをもつ血管内皮前駆細胞を患者本人の末梢血から分離採取し、虚血状態になってしまっている下肢に投与することにより、血管の形成、新生が促進され、酸素の供給が回復することにより重症下肢虚血の症状改善が期待できます。

以前紹介した「脂肪由来幹細胞を用いた重症下肢虚血の治療」と比較すると、本治療法では細胞の培養を必要としないため短期間で治療が可能であるという利点があるものの、重症度の高い症例では十分な効果が得られなかったり、血管内皮前駆細胞の投与により悪性腫瘍を発育させる恐れがあるため悪性腫瘍がある患者には適用できないという問題点も報告されています。


「末梢血単核球を用いた重症下肢虚血の治療」は、再生医療等安全性確保法の施行前から高度先進医療として実施されており、同法施行後も多数の医療機関で実施されている治療法です。

この治療法の提供を検討している方は、お気軽にご相談ください。

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