再生医療等安全性確保法の施行状況について③

8月31日時点での再生医療等安全性確保法の施行状況が厚生労働省令のHPに公開されています。
厚生労働省HP

細胞培養加工施設の届出の合計が2,064件ですが、そのほとんどがPRP療法やがん免疫療法を実施している医療機関であると思われます。
一方で、PRP療法とがん免疫療法はともに第3種再生医療等に該当しますが、第3種再生医療等提供計画は未だ38件(研究含む)しか提出されていません。

つまり、一つの医療機関が一つの再生医療等提供計画しか提出しないと仮定しても、まだこれから少なくとも2000件以上の再生医療等提供計画が提出されることとなります。

コラムに何度も書いていますとおり、再生医療等提供計画提出の経過措置期間は2015年11月24日までです
これを過ぎると、再生医療等提供計画を提出していなければ再生医療等を提供することができなくなります。

しかしながら、11月24日までに2000件全ての再生医療等提供計画を提出することはおそらく不可能であろうと思われます。
その理由は、審査する認定再生医療等委員会の審査可能件数が限られているためです。

現在、第3種再生医療等提供計画を審査する認定再生医療等委員会は38委員会認定されていますが、その大半が実際には活動していないか、自前の計画しか審査していませんので、外部の医療機関からの再生医療等提供計画の審査を受け入れている委員会はほとんどありません。

弊事務所でお手伝いさせていただいている計画については、そのうちの一つの委員会に主に依頼しておりますが、その委員会で審査を受けて、11月24日までに厚生局に提出するためには、10月の委員会で審査を受ける必要があります。
しかしながら、既に10月の委員会に10件の再生医療等提供計画が提出されているそうで、おそらく依頼された全ての計画を審査することは不可能であると思います。

そのような理由から、作成は間に合っても審査を受けることができずに、経過措置期間終了までに計画を提出できない医療機関が続出するのではないかと思います。
なお、その場合は、計画提出が完了するまでは再生医療等の提供を中止するしかありません。
経過措置期間終了後も、計画を提出せずに再生医療等を提供した場合、再生医療等安全性確保法違反により50万円以下(第3種の場合)の罰金に処せられることになります。

注意しなければならないのは、11月24日までに作成を完了すればいいのではなく、委員会の審査を受け、その意見を添付して、地方厚生局への提出しておかなければならないということです。
委員会の審査を受けた後、修正の指示等に対応し、確認を受ける期間が必要となる可能性が高いことを考慮しておく必要があります。

なお、弊事務所にご依頼いただいた場合、第3種再生医療等提供計画であれば最短一週間で作成が可能です(特殊な手法、新規性の高い手法の場合を除きます)。
認定再生医療等委員会の審査についても、経過措置期間終了に間に合わせられる委員会を調査させていただきます。
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