本稿では、再生医療等提供計画の添付文書である「細胞提供者又は代諾者に対する説明文書及び同意文書の様式」の作成方法について説明させていただきます。
まず、この「細胞提供者又は代諾者に対する説明文書及び同意文書の様式」は、再生医療等を受ける本人以外の者から細胞の提供を受ける場合のみ必須という扱いになっています。
「細胞提供者又は代諾者に対する説明文書及び同意文書の様式」には、再生医療等提供基準により書面により説明することが義務付けられている以下の事項を必ず記載しなければなりません。
これらの事項で記載されていないものがあれば、再生医療等提供基準を満たしていないことになりますので、委員会の審査に通りません。
- イ 当該細胞の使途
- ロ 当該細胞の提供により予期される危険及び不利益
- ハ 細胞提供者となることは任意であること。
- ニ 同意の撤回に関する事項
- ホ 当該細胞の提供をしないこと又は当該細胞の提供に係る同意を撤回することにより不利益な取扱いを受けないこと。
- ヘ 当該細胞の提供に係る費用に関する事項
- ト 当該細胞の提供による健康被害に対する補償に関する事項
- チ 細胞提供者の個人情報の保護に関する事項
- リ 当該細胞を用いる再生医療等に係る特許権、著作権その他の財産権又は経済的利益の帰属に関する事項
- ヌ その他当該細胞を用いる再生医療等の内容に応じ必要な事項
これらの記載事項のうち、注意しなければならない事項は以下のとおりです。
(1)イ 当該細胞の使途
当該細胞を用いる再生医療等の目的及び意義、再生医療等の提供方法、再生医療等提供機関の名称などについて具体的に記載してください。
(2)ニ 同意の撤回に関する事項
再生医療等提供基準により、「当該細胞に培養その他の加工が行われるまでの間について、当該細胞提供者が同意を撤回することができる機会が確保されていること」が要求されていますので、少なくとも、培養などの加工が行われるまでは同意の撤回が可能であることを記載している必要があります。
(3)ヘ 当該細胞の提供に係る費用に関する事項
再生医療等提供基準により、「細胞の提供が無償で行われたこと。ただし、細胞の提供に際し発生した交通費その他の実費に相当するものについてはこの限りでない」と定められており、細胞の提供は必要経費を除いて無償で行われることを明記しなければなりません。
(4)チ 細胞提供者の個人情報の保護に関する事項
細胞提供者の既往歴等の情報が提供される場合の個人情報の保護の具体的な方法を含めて記載することが要求されています。
以上、繰り返しになりますが、上記イ~ヌの記載事項については記載が必須であり、もし記載していなければ、審査に通らない直接的な原因となる可能性がありますので必ず記載してください。